ガレージは、車を風雨や紫外線から守るだけでなく、防犯対策としても役立つ設備です。屋根や壁でしっかり囲まれているため、カーポートよりも保護性能が高く、長期間にわたって車の状態を良好に保てます。
また、収納スペースとしても活用できるため、タイヤや洗車用品、自転車などを置くのにも便利です。さらに、住宅と一体型のガレージなら、雨の日でも濡れずに車へ乗り降りできるというメリットもあります。
しかし、ガレージの設置には比較的高額な費用がかかるため、種類ごとの価格相場や費用を抑えるポイントを知っておくことが重要です。本記事では、ガレージの種類ごとの費用や、コストを抑えるための工夫について詳しく解説します。
ガレージの種類と特徴
ガレージにはさまざまな種類があり、構造や設置方法によって費用や機能が大きく異なります。どのタイプを選ぶかによって、設置費用が大きく変わるため、それぞれの特徴を知っておくことが大切です。
① 一体型（ビルトイン）ガレージ
住宅と一体化したタイプで、建物の一部として設計されるため、外観がスッキリとまとまります。
メリット：雨の日でも快適に利用でき、防犯性も高い。
デメリット：住宅の構造に影響を与えるため、新築時に設計するのが一般的。
費用相場：300万～800万円
② 既製品の組み立て式ガレージ
プレハブのように、あらかじめ工場で製造されたパーツを現場で組み立てるタイプ。
メリット：短期間で施工でき、コストが比較的抑えられる。
デメリット：オーダーメイドよりもデザインの自由度が低い。
費用相場：50万～200万円
③ 鉄骨造ガレージ
鉄骨を組み立てて作るタイプで、強度が高く、耐久性に優れています。
メリット：大型車にも対応でき、長期間利用できる。
デメリット：施工費用が高く、基礎工事も必要。
費用相場：200万～500万円
④ 木造ガレージ
木材を使用したガレージで、ナチュラルなデザインが特徴。
メリット：デザイン性が高く、自然に馴染みやすい。
デメリット：定期的なメンテナンスが必要で、耐久性は鉄骨より低め。
費用相場：150万～400万円
用途や設置場所に合わせて最適なガレージを選ぶことが、コストを抑えるための第一歩です。
ガレージ設置費用の相場と内訳
ガレージの設置には、本体価格だけでなく、基礎工事や施工費がかかります。トータルの費用を把握し、予算に応じたプランを立てることが重要です。
① ガレージ設置費用の目安
ガレージの種類や広さによって費用は異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
1台用の簡易ガレージ：50万～150万円
2台用の組み立て式ガレージ：100万～250万円
鉄骨造や木造の本格的なガレージ：200万～800万円
② 費用の内訳
ガレージの設置には、以下のような費用が含まれます。
ガレージ本体の価格（50万～500万円）
基礎工事費（10万～50万円）
組み立て・施工費（20万～100万円）
電気設備工事（5万～30万円）
シャッター設置費（10万～50万円）
③ 追加オプションの費用
断熱加工（10万～50万円）
防犯設備（5万～30万円）
収納棚や作業スペースの追加（5万～20万円）
特に、電気設備を導入する場合は配線工事が必要になるため、事前に施工業者と相談しておくことが重要です。
設置場所や条件による費用の変動要因
ガレージの設置費用は、単に本体価格だけでなく、設置する場所や条件によって大きく変わります。事前にどのような要因が費用に影響するのかを把握しておくことが大切です。
① 地盤の状態
ガレージを設置する土地の地盤が弱い場合、補強工事が必要になります。特に、ぬかるみやすい土地では砕石を敷いたり、コンクリートで補強する必要があり、10万～50万円 の追加費用がかかることもあります。
② 設置スペースの広さ
ガレージの大きさによって、使用する材料や施工費用が変わります。2台以上の広いガレージを設置する場合、柱の強度や屋根の面積が増えるため、1台用よりも30～50%ほど費用が高くなる 傾向があります。
③ 既存の構造物の撤去
古いカーポートや物置がある場合は、それを撤去するための費用が発生します。撤去費用は 1㎡あたり5,000～15,000円 が相場で、規模によっては10万～30万円 かかることもあります。
④ 風や雪の影響
積雪の多い地域では、屋根の強度を上げる必要があるため、耐雪型の設計にすると費用が増加します。また、風が強い地域では、しっかりと固定するための基礎工事が必要になり、施工費が20%程度高くなる ことがあります。
⑤ 電気・水道設備の有無
ガレージ内に照明や電源コンセントを設置する場合、電気配線工事が必要になります。また、洗車スペースを作る場合は水道の引き込み工事も必要になるため、それぞれ5万～30万円 の追加費用が発生することがあります。
設置場所の条件をしっかり確認し、余計な追加費用を抑えることが大切です。
費用を抑えるための選び方とポイント
ガレージの設置費用を抑えるためには、いくつかの工夫が必要です。コストを最小限に抑えつつ、機能的なガレージを作るポイントを紹介します。
① シンプルなデザインを選ぶ
装飾性の高いデザインや特殊な仕様のガレージは、見た目は魅力的ですが、価格が高くなります。シンプルなデザインを選ぶことで、コストを抑えながら機能性を確保できます。
② プレハブ・組み立て式を選ぶ
注文住宅のビルトインガレージに比べ、既製品の組み立て式ガレージはコストが抑えられます。施工期間も短く、50万～150万円 ほどの価格で設置できることが多いです。
③ 施工費を抑える工夫をする
地盤がしっかりしている場所を選ぶ
既存の舗装を活用する
施工のしやすい広いスペースを確保する
これらを意識することで、基礎工事費や施工費を削減できます。
④ 相見積もりを取る
施工業者によって価格設定が異なるため、複数の業者に見積もりを依頼し、最もコストパフォーマンスの高い業者を選ぶことが重要です。
⑤ 施工時期を選ぶ
リフォーム業界では春や秋に依頼が集中するため、オフシーズンとなる冬場に依頼すると、業者によっては値引きをしてもらえることがあります。
無駄なコストを削減しながら、使い勝手の良いガレージを作るためには、計画的な選択が重要です。
まとめ
ガレージは、車を守るだけでなく、防犯や収納の面でも役立つ設備です。しかし、設置には本体価格だけでなく、基礎工事や施工費などがかかるため、事前に費用を把握することが大切です。
ガレージの設置費用は 50万～800万円 と幅がありますが、素材やサイズ、設置場所によって大きく変動します。コストを抑えるためには、プレハブタイプの活用やシンプルなデザインの選択、相見積もりの取得などが有効です。
また、施工場所の地盤状態や風雪の影響を考慮し、無駄な追加費用を防ぐ工夫も重要です。適切なプランを立てながら、長く快適に使えるガレージを設置しましょう。
