トイレが古くなったり新しい機能を利用したくなったりして、トイレリフォームを考えている方もいらっしゃることでしょう。
トイレを交換する際のポイントとなるのが「排水芯」で、トイレリフォームする場合は、好きな便器を自由に選べるわけではありません。
このコラムでは、「排水芯」とは何かを詳しく説明し、トイレ交換で大事な床排水と壁排水の違いを詳しく解説します。
トイレリフォームを考えている方には参考になる内容となっているので、ぜひご覧ください。
排水芯って何?
排水芯というのは、トイレで使用される便器の排水部分の排水管の中心までの寸法のことです。
床排水と壁排水については次項で詳しく説明しますが、床排水便器だと便器背面壁から便器配水管部までの芯心の寸法のことで、壁排水便器の場合は床面から便器配水管部、または配水管設置部分までの芯心の高さ寸法を指します。
排水芯がトイレリフォームとどのような関係があるの?と疑問に思う方もいることでしょう。
しかし、排水芯によって設置できる便座が限られることになることから、排水芯はトイレリフォームにはとても重要なものなのです。
床排水と壁排水の違い
床排水と壁排水の違いは、トイレの排水が床から行われるか壁から行われるかです。
床排水で使用されるのが床排水便座で、壁排水で使用されるのが壁排水便座となります。
排水芯の測り方も、床排水便座か壁排水便座で異なります。
以下に、床排水の排水芯と壁排水の排水芯について詳しく解説します。
床排水の排水芯
床排水便座の場合は、トイレ排水管が床下に設置されています。
そのため、便座を新しく交換する際には、床面の排水管の位置によって選べる商品が変わってきます。
床排水便座の場合の排水芯は、トイレの壁から便器排水管の中心までの寸法です。
床排水便座タイプの排水芯の基本寸法は200mmですが、便座の型式によって排水芯が異なります。
また、トイレスペースや排水管の取り付け位置などの関係で、標準の排水芯ではないことも考えられます。
そのため、便座を交換するときには、排水芯をしっかりと計測して、適合する商品を選択してください。
床排水便座は、主に戸建住宅や分譲マンションなどで使用されています。
トイレリフォームを行う際には、使用中の便座と同じ排水タイプを選択しないと、交換できないことを施主側も把握しておく必要があるのです。
壁排水の排水芯
壁排水便座の場合は、トイレ排水管が壁に向かって設置されています。
壁排水便座では、正確には排水芯ではなく「排水高」と言いますが、その理由は壁に沿って床から排水管中央までの高さを測るからです。
壁排水の排水高は、床排水とは違ってほぼ決まった寸法となっていて、新築では「120㎜タイプ」が基本となっています。
ただし、他にも「155㎜タイプ」であるケースも少なくないため、注意が必要です。
壁排水は、マンションやその他の集合住宅で多く見られます。
集合住宅ではさまざまな理由によって、真後ろではなく右後方や左後方など、排水後方が異なるケースも珍しくありません。
床排水と壁排水の見分け方
自宅のトイレが床排水か壁排水かを見分けるには、便器を横から見たときに、壁から配管が出ている、もしくは便器本体から後ろに陶器が付き出しているかで判断できます。
便器の後ろ側に何もなければ、床排水ということになります。
当然ですが、自宅のトイレが床排水であれば、壁排水タイプの便座を設置することはできませんし、反対に壁排水であれば床排水タイプの便座を選ぶことができません。
絶対に設置できないわけではありませんが、可能にするためには床や壁を壊して配管工事からやり直さなくければいけないので、大掛かりな工事となり費用もかなり高くなってしまいます。
床排水か壁排水かどうかは、便器の品番で確認することでも判別できます。
便器の側面を見れば、下の方にシールが貼られていて、そこにそれぞれの品番が書かれています。
タンク付きの商品だと、タンクにもシールが貼られていますが、それはあくまでもタンクの品番なので間違えないようにしてください。
便器の品番が分かれば、メーカーや施工業者に確認すればすぐに床排水や壁排水か教えてもらえますし、メーカーのホームページからも確認することができます。
ホームページを見れば、問合せ先も掲載されています。
まとめ
トイレの排水芯とは、便器の排水部分の排水管の中心までの寸法のことで、床排水か壁排水かによって計測の仕方は変わってきます。
トイレの排水管が床下に設置されているか、壁に向かって設置されているかで、交換できる便座も変わり、壁や床などを壊して配管工事をやり直さない限り型式が異なる便器を選択することはできません。
このように、トイレをリフォームする場合は、自分で気に入ったデザインの便器が見つかっても、排水方法が一致しないとスムーズに工事ができないケースがあります。
トイレのリフォームでお困りの方は、ぜひ株式会社IRONANO工業にご相談ください。